店長山口 友和

「伝える売り場作り」をチームで取り組む

自分が経験してきた”成功事例”が、すぐ効果として出てこない。部下にも、やってほしいことが伝わらず、店全体のモチベーションが上がらない。店長の山口は、着任1年目はもがいていた。

2年前に山口が着任した新潟市内の店舗は、マルイの従業員なら誰でも知る1.2を争う”激戦区”に立地する。半径5㎞圏内には複数の競合スーパーのほかに、全国展開するドラックストア、コンビニエンスストアもある。さらに山口が着任する数か月前に新店スーパーができ、売上・利益とも苦戦を強いられていた。

スーパーは、あたりまえだが結果が数字ではっきり出る。店長として、実績を少しでも上向きになるよう、対策を練らなければならないが、

「売上を確保しようと思えば特売品の価格勝負といった手段もあるが、大体が一過性に終わりお客様の支持につながらない。一方でマルイの目指すレシピや食べ方提案は、即効性は正直出にくい」

しかし、苦戦の中でも、山口はただ耐えているだけではなかった。

「社内掲示板でも、売り場提案をして成功している店舗がある。最初はその”ものまね”でもいいのでやってみようと従業員に呼びかけたんですね」

朝礼やミーティングでも、社員だけでなくパートさんにも話をした。

「必ず結果はついてくると。でも正直根拠はどこにもないんですね。しかし、店舗のオリジナリティを出すものとして絶対に武器になると」

「1つでもうまくいったら、従業員に感謝の言葉をかけるようにしました。だって、サンプルを作ったりコトPOPを書いてもらったり、少なからず仕事が増えているわけですから。でも声をかけると、またやってみようと次の商品提案のモチベーションが自然と生まれるようになった。本当、店舗のメンバーに恵まれたんですね」

昨秋、菓子部の輸入チョコレートの販売実績で全店1位になったことが、社内でも話題になった。ワインの売上が通常期でも全店で上位である特徴を生かし、”ワインに合う、大人向けチョコ”でPOPを作成。ミント、オレンジなどそれぞれの味の特徴や食感も、実際に従業員が試食し、出た意見を売り場に反映した。この成功事例を、今度は他の店舗が生かすこととなった。好循環は、1つの店舗を超えて波及していく。その波を生み出せる店舗へと成長した。

「このお店は、私が経験した店舗の中でも、本当にお客様が気さくな方が多いですね。だって『おはようございます』と声がけすると、お客様からあいさつが返ってきて、ここ最近は私がちょっと気づかなかったりすると、お客様のほうからあいさつされて」

マルイのお祭り「会員催事」では、店長自らじゃんけん大会などイベントを盛り上げ、毎週日曜日の大試食会ではマイク片手にお客様に呼びかける。店長として率先して表に出ながら、裏では従業員のチャレンジを支える。店長として、「リーダーとは」を模索しながらこれからも前進していく。